痒み地獄と熱いシャワー┃Essay

この記事は約3分で読めます。

2022/05/04 はこび天舟

      熱いシャワーの効用

高齢になってくると乾燥肌とか言うやつで体中が痒くなる
寝床に入って身体が温まってくると、痒みの虫が這いずり回る
どうも気になって眠れない・・・・
こんな経験をしている人は結構多いのではないだろうか
先日発見した痒みを撃退する方法を伝授したい

私は足首とスネとふくらはぎに痒みが出る
掻きはじめたら皮膚が裂け血が出るまで止められない
だから、痒いところには触らないようにしている
痒みは治まることなく、掻いたときの快感で誘惑してくる
その誘惑に負けないように、必死に頑張る
しかし少しだけだと自分に言い聞かせ、遂には掻いてしまう
この時の快感は「地獄で仏」というような気分である
しかし、一度掻きはじめたら止まらない
痒みの無限地獄がはじまるのである
痒み止めの薬を塗っても、効果が出るまで待てない
これ以上掻いたら血が出るぞと思いながらも掻いてしまう
結局は血が出るまで掻く
そして、今度は傷の痛みに耐えなければならなくなる
痒みに耐えることと痛みに耐えることでは、痛みの方に軍配が上がる
傷の痛みに耐えている間に眠りにつくことができる

お陰で足は掻き傷だらけなのだ
先日も寝床に入って直ぐに痒みに襲われた
その日は睡眠も足りていて眠くなりそうにもない
ああ、今夜も痒みに悩まされるのかと落ち込んでいく
私はアトピーではないと思う
痒みの原因は身体の汚れと乾燥肌だと思う
時計を見ると完全に室温も下がっている寒い真夜中である
意を決して浴室に行き、シャワーで洗うことにした。
シャワーで洗うことで汚れも乾燥肌も解決できる
冷えていたのでシャワーを熱めにして足にかけた。

すると足のあちらこちらに痒みが出てきた。
シャワーをかけたところが痒くなるのだ
熱いシャワーによって痒みの素が起きてきた
しかし、熱いけれど指で掻いているように気持ちが良い
いや、それ以上だ
もし、こんな快感で痒みを収めてくれるマッサージ屋さんがいたら間違いなく常連客になるだろう
これは指で掻くような、いつまでも治まらない痒み地獄とは違う
一度痒みが治まると、いくらシャワーをかけても痒くならない
その気持ちよさは、痒みが消える前の快感をもっと味わいたいと思うほどだ
それに掻いているわけではないので皮膚に傷をつける心配もない
さっきまでの痒みから解放され、ほっとした気分になる
これは医学的大発見だと喜んだ

似たような経験をしたことがあるような気がする
子供の頃に利用していた浴場を思い出した
工場の従業員用の風呂なので猛烈に熱い風呂だった
毎回「湯が噛みつくから動くな」と言って騒いでいた
大人たちはそれをおもしろがって、湯はますます熱くなる
身体を硬くして湯船につかると、身体のあちこちに痛みのようなものが走る
この時の感じに似ているのだ

きっと痒みの神経は熱に弱いのではないだろうか
シャワーは火傷をする寸前でやめるのだが、痒みはその前に消えている。
テクニックといえば火傷をする前に止めることだ。
シャワーは熱めにしておいて、足との距離で温度を調整する
シャワーをかけると痒みが出てきて、まもなく消える。
その時にシャワーを遠ざけるのだ。
火照った足は直ぐに治まるから心配はない。
この方法は痒みの予備軍まで退治してくれる。

皮膚のデリケートな人にはお勧めできないが、痒み地獄から解放されることを考えると試してみる価値はあると思う

タイトルとURLをコピーしました