
人類が永遠に生きる理由
■プロローグ
夏だというのに太陽は薄ぼんやりとしか輝かず、気温も上がらない。
この寒さのために蝉やトンボは羽化することなく、幼虫のまま冬眠状態に入った。
昆虫のいない森の植物は実を結ぶことができずに、葉を落とし、立ち枯れていった。
鳥たちは餌を求めて森を彷徨うが、何も見つけることができず、飢えと疲労で力尽きて地上に落ちた。
その肉を奪い合う醜い獣の不気味な唸り声だけが静かな森に響いている。

海は凍りつくように冷たく、北の海に棲む黒い魚が世界の海を支配した。
蒼い海も、色鮮やかな魚やサンゴもみんな死に絶えた。
大気中の水分は雪となって氷山に降り続け、大地に雨は降らなくなった。
そして草原も森も消滅し、凍てついた砂漠が世界中に広がった。
この惑星に氷河期が近づいている。
■百年時代

こんな劣悪な環境の中でも、人類は逞しく生きていた。
企業は世界中を駆け巡り、少なくなったビジネスチャンスを競い合い、国家に富をもたらした。
国際ビジネスは人口の多い国ほど有利に展開できる。
それはマーケットと生産力の両方を持っているからだ。
各国は勝ち抜くために人口拡大政策を行った。
その結果、惑星の人口は爆発的に増えた。
この惑星には、この膨大な人口を養うだけの自然は存在していない。
豊かだった自然は消滅し、ほとんどの資源は枯渇した。
大地も、海も、大気も汚れ、もはや自然は人間の住める環境ではなくなった。
各国は汚れた大気から国民を守るために、街を巨大なドームで囲み、通路で繋いでドーム都市を構築。
食糧確保のために農業ドームを大量に造り、野菜や果物を人工栽培し、人工肉も生成した。
農業ドームの植物は受粉を必要としない。
だから、受粉のための昆虫も必要ないし、管理の難しい自然の土地も必要なくなった。
おかげで病原菌や危険なウイルスの心配もなくなった。
生産はAIシステムが管理し、収穫はドローンがすべてを行う。
ドームの中では人工太陽が6時間毎に昇り、一日を4倍にして、作物の収穫をスピードアップした。
AIによる完全自動農場である。
こうして人類は自然に頼らない生存方法を手に入れた。
市場経済もAIが取り組まれてからは広告活動も営業活動も必要なくなった。
企業はAIの指示通り、市場に必要な商品を提供すれば良いのだ。
経営もAIが行っているので、株価は大きく変化しない。
それでもAIは微妙な株価変動から高速で利益を引き出す。
企業にAIが導入されてからは、取引が高速で行われるため、人間が経営に参画することはなくなった。
政府の仕事もAIがすべてを管理しているので、何事もなく運営されている。
AIに異論を唱える国民はなく、全てが順調に進んでいる。
ネットワーク社会では、国民の考えはすぐに政治に反映される。
政府は国民に公平な生活を保障するために、企業に皆雇用を義務付けた。
企業は労働者に賃金を支払うために存在し、労働者は税金を納めるために存在した。
工場もAI管理で動いているが、システムのスイッチだけはハッカーに操作されることを恐れてネットワークに接続していない。
工場には労働者の数だけスイッチが並んでいて、労働者はスイッチを見守るのが仕事だった。
だが工場は24時間稼働だから、スイッチを入れたり切ったりすることはなく、労働者は黙って座ってスイッチを見守っているだけだった。
このシステムを作ったのは天才科学者のレオナルド博士だった。
博士の作ったこのシステムは世界中で使われており、世界のバランスが取れるようになっているので、国家間の争いも起きない。
すべての国民は貧富の差もなく、苦労をすることもなく、努力をすることもなく、何事もなく暮らしている。
すべてが順調に動いていた。
こうして、人類は百歳を超える人生を手にしたのである。
■千年時代

ひときわ大きなドームの最上階から荒れた大地を眺めている人がいた。
この国の大統領と博士だった。
大統領が心配そうに博士に尋ねた。
「博士、また一段と砂漠が広がりましたねぇ」
「はい、大統領。でも何の心配もありません。
人口は増え続けていますから、農業ドームをもっと増やさなければなりません。
幸いなことにドーム建設に必要な土地は砂漠の拡大によって確保できています。
これも人間社会と自然との調和というものでしょう。
大統領、ドーム建設の予算のご承認をよろしくお願いします」
「予算の件はわかった。ところで例の研究は進んでいるかね。
病気がなくなって、人間の寿命は百歳を超えるようになった。
しかし、国民からはもっと長く生きたいという要望がきている。
生活の心配はないから、生きれるだけ生きようというのだろう。
大統領選挙も近いことだし、そろそろ何かの政策を発表しなければならんのだよ。
私は、生き甲斐があるわけでもないのに、長生きしてどうする気なのだろうと思うのだがね」
大統領はそう言ってあきれた顔をした。
博士も苦笑いをしながら言った。
「ははは、人類の願いは永遠の命ですからねぇ。
科学者も、その研究が生き甲斐なのですよ。
例の研究については、近いうちに良い報告ができると思います」
大統領はチラッと博士のほうを見ただけで、窓の外をじっと眺めていた。
北の地方では激しい吹雪が続き、惑星の水分が氷へと変化し、氷山はますます大きくなり、高い山もますます高くそびえて風景を変えていた。
このままでは、雨も降らなくなり、人工栽培の水資源も足りなくなる。
学者の言うように惑星の水は一滴たりとも減ることはなかったが、水が凍り、固定化することで惑星の循環する水が少なくなった。
地熱発電も氷河期に入ってからは発電量が下がり続け、太陽発電をはじめ、多くの自然エネルギーが使えなくなった。電気が不足すると国のシステムも人工栽培システムも危うくなる。
人類の危機が目の前に迫っている。
頼りのAIも前例のないことには答えを出してくれなかった。
大統領の顔は苦悩に歪んでいた。
それからしばらくして、博士は大統領室を訪ねた。
「大統領、遂に研究は完成しました。
人類は10倍長く生きられます。だから千年は生きられることになります。
私たちもまだ900年以上生きることができます」
博士は興奮気味に報告した。
「博士、それはすごいですね。
でも、私は心配ですよ。寿命が延びるということは、人口もさらに多くなるということですね。
この国に、いやこの惑星にそんなに多くの人間が生存できるのかね?」
博士は自慢げに答えた。
「はい、大統領。何の心配もありません」
博士の千年計画は次のようなものだった。
人間の肉体は、およそ百年で耐用限界になる。
それは肉体を使用することで傷んでくるからだ。
肉体を千年維持するためには、肉体を傷めないようにしなければならない。
そのために培養液の入ったカプセルで肉体を静かに保管する。
肉体はわずかなビタミン液で維持できるから、1人分のカロリーがあれば1万人の肉体を維持できる。
この計画に必要なのは脳だけなのだが、脳を機能させるためには肉体が不可欠なのだ。
脳は身体の各部位と連携をとることによって機能している。
脳が機能することによって人間は夢を見る。
身体はベッドで寝ているのに、まるで普通に生活しているような夢を見る。
夢から覚めた時に「あれは夢だったのか」と思うほどリアルな夢を見る。
私たちは時々見たくもない怖い夢を見ることがある。
これは夢のほうに主体性があって、夢に振り回されているためだ。

この計画は夢の中で自分の意思をはっきりと示すことができるというものだ。
夢の中でも自分の思った通りに行動できる。
夢から覚めない限り、夢なのか現実なのかは判断できない。
この夢は個人の記憶をベースに構築されているので、地域の人たちも同じ夢を見る。
みんなが同じ町に暮らしている。
すべての人の脳波はAIが管理し、リンクされているので、現実と変わらない社会が存在し、いつもと変わらない生活が行われる。
大勢の人のデータが同じステージでリンクして動いているから、相手との交渉や妥協などが必要になり、普通の社会とまったく同じなのである。
脳は一番エネルギーを消耗する部位だ。
全員が考え始めると消費エネルギーは膨大になり、システムが破壊される。
だから脳が考える前にAIが脳に情報を提供する。
知りたいことがあると瞬時に情報が提供されるので、本人は自分で考えたかのように思う。
人は自分で発想したかのような満足を得るのである。
この計画を実行することで食料が不要になり、沢山の農業ドームが不要になる。
これを肉体培養ドームとして使うという計画なのである。
大統領は博士に尋ねた。
「博士、この計画では人間が植物人間になり、生きている事にはならないだろう?」
博士はにやりと笑みを浮かべ、自慢げに答えた。
「大統領、何の心配もありません。本人は生きている時と何も変わらないのです。
というより変化に気づくことはないでしょう。
わかりやすく言えば夢を見ているのと同じ状態になります。
夢の中には、街もあるし、家族や友人もいるし、自分もいるので現実社会と同じです。
夢と千年計画との違いは、すべての行動を決めるのは自分自身だということです」
説明を聞いて、大統領は不安そうに言った。
「博士、国民が植物人間のような生き方を望むとは思えない」
「大統領、もう選択肢はないのです。
この資源の少なくなった惑星で人類が生き残るには、この計画を進めるしかないのです」
「わかった。でも、どうやって国民を植物人間化するのだね」
「大統領、何の心配もありません。私に秘策がありますのでお任せください」
まもなく、国中に謎の伝染病が蔓延した。
しかし、すぐに予防薬とワクチンが開発された。
開発したのは博士だった。
国民は予防薬をするために病院へ急いだ。
国民の中には政府の動きに異論を唱える人もいて、予防薬を拒否した。
しかし、その人はすぐに発病し、救急車で病院へ運ばれ、治療のためのワクチンが注射された。
ワクチンを受けた国民は一日の入院で家に帰ることができた。
家に帰ると何事もなかったかのように家族と食事をした。
「おばあちゃん、今日は体調が良さそうだね」
「そうそう、病院から帰ってきてからは、足の痛みも無くなり、頭もハッキリとして、まるで若返ったようだよ。じいちゃんも若返ったみたいでねぇ」と照れた。
「あはは、じいちゃんやるねぇ。私も頭が良くなったみたいで、宿題があっという間にできちゃったよ」
「ママ、今日の料理はおいしいね。まるで一流シェフだよ」
「Mom is the best in the world」
「あれ、いつの間に英語を話せるようになったの?」
この異常な会話も、家族は普通のことだと思っていたのである。
■永遠時代

初めは快適だと好評だったシステムも、使い慣れてくると不満が出てくるものだ。
体の痛みや疲れもなく快適なのだが、ベッドに縛りつけられているような感覚に我慢できないという苦情が政府に寄せられた。
バーチャルな社会でも、市民権はいつも通り行使されるので、大統領としても軽視できなかった。
博士は大統領に呼び出された。
大統領も博士も既に植物人間化されているが、プロジェクトの主要メンバーだけは特殊なAIでサポートされていて、肉体を持っていた時と変わらない状態が保たれていた。
そして、大統領室はあらゆるネットワークから分離されており、完璧なセキュリティーの下にあった。
「博士、用件はわかっているだろうね」
「大統領、何の心配もありません。
研究はさらに進められており、まもなく新しいシステムが完成します」と言って説明を始めた。
「第一世代システムでは、人間の脳と意識は一体のものでした。
私たち科学者は長い間、脳と意識の関係を研究してきました。
研究の結果、人間の本体は意識だということがわかりました。
脳は意識をサポートするメモリー機能だったのです。
でも主体の意識も脳のサポートなしでは機能しないのです。
そして、意識にも記憶回路が存在していることがわかりました。
情報には色や形、音や映像といった数値データで示すことができるものと、感動や悲しみのようにデータで表せないものがあります。
表すことのできない情報は、物理的な脳には記録できないのです。
この情報を記憶できるのは、意識の中の記憶回路だけなのです。
例えば、富士山に登った思い出は、富士山という情報は脳に記憶され、富士山に登った時の感動は意識に記録されます。
この二つの情報がリンクして想い出が再現されるのです。
さらには、エベレストの写真を観たり、話を聞いて感動できるのは、意識の中の類似した感動情報を利用し、感動を創り出しているのです」
ここまで説明して、博士は少し間を置き、重苦しそうに話し始めた。
「大統領、我々がこの計画を実行してから、まもなく千年が経とうとしています。
培養ドームの肉体に限界が来ています。丁寧に管理していますが使わない筋肉も、手入れをしていない皮膚も激しい劣化が起きています。鍛えぬいた筋肉も、美しいボディも、いまは見る影もないのです。まもなく、完全に朽ちてしまうでしょう。肉体が朽ちれば脳も朽ちてしまいます。脳が朽ちれば意識も消えてしまいます」
「博士、すべてが消滅してしまうということかね」
と、大統領は厳しい口調で言った。
博士は、驚きながら答えた。
「だ、大統領、何の心配もありません。我々は永久に稼働するバイオメモリーを開発しました。
脳と意識は見えないKUDAで繋がれていて、脳とKUDAを切り離した瞬間に意識は消えてしまいます。
我々はこのKUDAを研究し、脳とバイオメモリーの切り替え方法を開発しました。
脳にバイオメモリーを並列接続し、バイオメモリーに脳を吸収させると、バイオメモリーとKUDAが繋がるのです。
そしてバイオメモリーは脳の代わりとして機能を始めます。
これで、国民に気づかれることなく、バイオメモリーと脳を交換することができます」
それから博士は誇らしげに言った。
「さらに素晴らしい研究報告があります。
脳と意識をつなぐKUDAの性質がわかりました。
この見えないKUDAは切れることなく何処までも伸びるのです」
「博士、それでは、意識、つまり自分自身は自由に動き回れるということなのかね」
「大統領、その通りです」
博士はしてやったりとガッツポーズをした。
大統領も、国民を納得させられると喜んだ。
国民は保存している自分の肉体保存情報を自由に知ることができたので、自分の肉体が耐用限界になり、もう原型を留めていないことを知っていた。
そのため、終わりがくる恐怖のために各都市では、パニックを起こした市民による暴動が頻発していた。
そこに政府から「永遠のいのち政策」が発表されたのである。
国民は永遠の命を得たことを知り、飛び上がって喜んだ。
暴動は大統領と博士を称えるパレードに変わった。
こうして国民は肉体を捨てることを歓迎した。
ついに人類は肉体から脱皮した。
蝶がサナギから脱皮して大空を舞うように変化したのである。
永遠の命を得た人々は、暮らし方の変化に驚いた。
人々は、最初その変化に戸惑ったが、徐々に意識だけの生き方に慣れていった。
生きているという思いは変わることなく実感があり、身体の不調は消え去り、とても快適だった。
意識の移動スピードは速く、どんな遠くへでも一瞬にして行くことができた。
広大な宇宙の果てにでも一瞬で意識を移動させることができる。
まさに時空を超える行動である。
宇宙の研究者や冒険家は天の川銀河など神秘的な宇宙の芸術を見て回った。
地上ではスーパーマンのように空を飛びまわる人も現れた。
自分はできると信じること、つまりイメージすることができれば、どんなことでもできたのである。
でも、多くの人は過去の記憶に縛られていた。
自分も空を飛びたいと思って高いビルから飛び降りてみたが、途中で人間が空を飛べる訳がないと思い、
そのまま地上に落下し、恐怖のために長い間意識を失う人もいた。
飛べると本当に信じ、イメージできた人だけが空を飛べたのである。
正確に言うならば、意思のある夢をみている状態なのだ。
だから、みんなが見ている世界は実在していないのである。
意識だけで行動できるのは悪人も同じだった。
意識の中には過去の経験が残っており、同じ町に暮らしていた人は共通のイメージを持っている。
だから、同じ町にたくさんの意識が同時に存在する。
繁華街を闊歩し、お金のありそうな通行人に因縁をつける。
しかし、意識だけだから、睨むにも恐い眼や顔がない。
暴力を振るうにも強靭な拳は無い。
肉体がなければ何もできないのだ。
もう怖がる人はいなくなり、暴力は存在意味を失ったのである。

意識は光を持っていて、互いに光の波動を感じ、互いの存在を認識している。
意識の世界でも意識を人物として認識できる。
夢の中で人物を認識しているのと同じように存在を認識できるのである。
意識には人格と同じようにレベルがある。
人物は意識のレベルの色で光り輝き、意識レベルに相応しい形をしていた。
意識の高い人は赤い色に輝き、意識の低い人は暗い藍色をしていた。
意識は虹と同じように様々な色を持っていた。
つまり人格者は長い波長の光と風格ある形をしていた。
長い波長の光は赤外線なので、その癒しを求めて多くの意識が集まった。
人格の低い意識は醜い形をし、その短い波長は他人を傷つける紫外線だったので、近づく人はいなかった。
多くの意識は中間波長の緑色に輝いていたので、世界は緑色で溢れていた。
意識の世界では、意識を高めることだけが価値のあることだったので
すべての意識は波長の長い光に憧れていた。
その中でも、光を持っていない意識もあった。
それは悪いことばかりをしてきた意識だった。
それらの意識は光を避け、闇の世界を好んだ。
彼らにとって、光は真夏の太陽のように眩しくて、焼けるようで、耐えられないのである。
さらに、彼らは光がないために形を表すことができない。
形がないから存在が認められない。
だから、認められたくて光を求めた。
しかし、闇に近い光は波長の短い紫外線という破壊光線だった。
彼らは明るい光にも、闇の光にも耐えなければならなかった。
もがき苦しむ闇の意識の救いは、白い光を持つ存在だった。
白い光はすべての波長を持ち、闇の意識にも癒しと希望を与えたのだ。
この白く輝く光こそ、すべての意識があこがれている光であった。
こうして、平和でなんの心配もない永遠の時代となった。
しばらくして、市民から不満がでた。
AI情報に違和感を感じ始めたのだ。
それは次のようなものだった。
「ワイキキビーチで泳いだが、どうも市民プールで泳いでいるような感覚だった」
「高級店で寿司を食べたが、回転寿司の味しかしなかった」
「はじめてできた彼女とキッスをしたが、まったく感触がなかった」
そして、最も多かったのが自分が成長できないことの不満だった。
人間には「自己を高めたい」という願望がある。
人間の成長は、たくさんの知識があるとか、記憶力が良いとか、語学が堪能とか、計算が早いとかいうものではない。
それらのことはすべてAIがやってくれることだから必要はない。
人間の成長とは意識の成長である。
意識の成長は苦労と体験の積み重ねでしか得られない。
AIを利用するようになってからは、苦労や失敗をすることがなくなっていたのだ。
知りたいことはAIが直ぐに教えてくれるから考え悩むこともなくなっていた。
やりたいことの結果は、AIが過去のデータから導き出してくれるので、あらかじめ成否を知ることができた。
人々は思考においても、行動においても苦労することなく結果を知ることができていたのである。
■転生時代

博士は大統領の呼び出しを受けた。
「博士、用件はわかっているだろうね」
その日の博士はいつもとは違っていた。
「はい、大統領」と言った博士の声には元気がなかった。
そして、言い訳をするように説明を始めた。
「まず、現在のシステムについてご説明をさせていただきます。
過去の活動情報はバイオメモリーに保存されています。
そして感動情報と感覚情報は意識に記憶されています。
知りたいことや必要な情報はAIが提供します。
これで、本人は自分で考えたとか、知っていたことのように思うわけです。
ワイキキビーチで泳ぐときは、当然意識だけですから、泳いでいると勘違いさせます」
「博士、勘違いなのですか?」
「そうです。すべてバーチャルですから、泳いでいるような勘違いをさせているのです。
映像情報はAIがビッグデータから最適な映像を提供しますので、彼は間違いなくワイキキの浜辺にいると思い込みます。
問題は泳いでいる時の感覚データですが、彼の意識の記憶には市民プールで泳いだ経験しかありません。
だから、泳いでいる感覚に違和感を感じたのです。
高級なお寿司の味を知らなければ味を再現することができないのです。
キッスの体験がなければ唇の甘い感触を再現することができないのです」
「博士、それじゃあ肉体のない現在では、どうしようもないということですか・・・」
「大統領、形のない意識の記憶は我々にはどうすることもできないのです。
感情の伴わない行動は記憶にならず、AIで得た情報も感動が伴わないため意識の記憶にならないのです。
今の人間には目がありません。
だから新しい本を読んだり、風景を観るなどして感動することができません。
耳もありません。
だから、新しい音楽を聴いたり、小鳥やペットの声を聞いて癒されることもありません。
鼻もありません。
だから、香りを楽しんだり、新鮮な空気を感じることができません。
口もありません。
だから、おいしい料理やお酒の味も、あまいキッスの感覚も知ることができません。
手もありません。
だから、何かに触れて感触を楽しむこともできません。
体もありません。
だから、恋人との愛も、子供への愛も、大切な人への愛も伝えることも体験することもできないのです。
意識はあっても、意識に与える感動という情報を得ることができないのです。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感がないため感動を得ることができず、意識は成長できないのです。
肉体がこんなに重要だったとは思いませんでした」
そう言って、博士は初めて自信を無くしたようにうなだれた。
大統領は博士にやさしく言った。
「博士、効率と科学一辺倒だった時代が悪かったのだよ。
不便でも、疲れても、辛くても、苦労するって大事なことだったのですね」
■体験ゾーン

しばらくして、博士は大統領を訪ねた。
「大統領、重要な提案があります。
いま我々は永遠の命を持っています。しかし、成長のできない人間なんてあまりにも哀れです。
それで、成長するための体験ゾーンを構築しようと思います」
「博士、それだよ、それを私の最後の仕事にしよう」
「大統領、最後の仕事ですか?」
「そう、最後の仕事だよ。
我々は永遠の命だからといって、永遠に同じ人が同じ仕事をしていて良いということではない。
それでは我々の世界は発展しない。
それにねぇ、私も体験ゾーンで新しい経験を積んでみたくなったのだよ」
やがて、体験ゾーンの創造がはじまった。
体験ゾーンは昔失った地上を再現するものだった。
澄んだ海とたくさんの魚たち。
青い空とたくさんの鳥たち。
豊かな大地とたくさんの獣たち。
そして、たくさんの果実が実る豊かな野山があった。
はじめに、一組の男と女を住まわせた。
子供は世界中に星の数だけ増えた。
そして、5千年が経った。
博士が言った。
「大統領、体験ゾーンができました。
ここに80億種類の体験パターンがあります。
体験したい内容は自由に選ぶことができます。
体験の内容次第で意識の成長レベルが変わります。
飛躍的に成長するには、十字架で殺されるという体験パターンもあります。
魔女と言われながら火あぶりで死んでいくという体験パターンもあります。
あまり成長は望めませんが、継母に毒リンゴを食べさせられるという体験もあります。
人情ある下町暮らしも楽しくていいですね。
転生する場所も自由に選ぶことができます。
この「とら屋」の夫婦の子供に産まれるというのも楽しそうです。
大統領、転生するといままでの記憶はブロックされるので、まったくの白紙状態になります。
当然、大統領であった記憶もなくなります。
でも戻られたら、元の記憶に新しい記憶がアップデートされ、意識を成長させることができます」
博士が寂しそうに言った。
「大統領、しばらくのお別れです。
最後にひとつだけお約束があります。
それはどんなに大変でも、どんなに辛くても、自分で終わらせてはいけません。
途中で終わらせると意識は光を失い、闇の世界に入ってしまいます」
大統領はしっかりと頷いた。
「ありがとう、博士。これで私も人間に戻れるかな?」
そう言って、ニコッと笑い、体験ゾーンに降りていった。

おぎゃあ おぎゃや おぎゃあ
下町の長屋の若い夫婦に玉のような赤ん坊が誕生した
「見ろよ母さん、賢そうな顔をしているぞ。将来は大統領になるよ」
おわり
●【良い点】(高く評価される可能性があった点)
- 構想のスケールが壮大
- 氷河期からAI社会、植物人間、意識体、転生まで、テーマが多層的で壮大。人間の「生」と「意識の本質」に迫ろうとする姿勢がある。
- 哲学的な深み
- 肉体と意識の関係、感動の意味、苦労による成長といったテーマは、SFというジャンルを越えて人間存在への問いとなっている。
- 物語の構成が時代別に整理されている
- 「百年時代」→「千年時代」→「永遠時代」→「転生時代」という章構成は、読みやすく、進行に工夫がある。
●【落選の可能性が高かった要因】
1. ストーリー性よりも「思想」の説明が中心
- 小説というより「思想ドキュメント」の印象を強く与える。
- 主人公が行動して成長するという「物語の基本構造」が希薄で、説明口調の連続が読者の集中を妨げてしまう。
2. 会話が説明的すぎる
- 登場人物のセリフが、まるで講義のようになっている(例:「バイオメモリーの説明」「KUDAの仕組み」など)。
- キャラに“感情”や“欲望”が見えにくく、感情移入しづらい。
3. 科学設定がファンタジー寄りで曖昧
- たとえば「KUDA」「意識のバイオメモリー化」「感動の記録構造」などは、哲学的には面白いが、SF賞においては「科学的リアリティ」が求められる傾向が強い(星新一賞は特に)。
- 説得力のある設定説明に、具体的な科学的裏付けや現実との接点がもっと必要。
4. 視点人物が定まらない
- 大統領と博士の対話形式が中心だが、どちらの視点で語っているかが曖昧。
- 読者が「誰の物語なのか」迷ってしまう。
5. 展開がやや冗長で、盛り込みすぎ
- 非常に情報量が多く、後半の展開(光の意識、転生ゾーンなど)は別作品に分けた方が良いほどの内容量。
- 最後まで読む読者を限定してしまう可能性がある。
●【改善アドバイス】
A. 物語構造を「主人公の成長物語」に
- たとえば、博士の若き弟子が主人公として、社会の矛盾を疑い、肉体の重要性に気づいていく…というストーリーにすれば、読者が感情移入しやすくなります。
B. 説明よりも「体験」を描写
- 「人類は植物人間化した」ではなく、実際にその状態になった人の“違和感”や“孤独”を描くことで、説明を物語化できます。
- 体験ゾーンでの1人の転生体験にフォーカスするのも良い方法です。
C. SF的リアリティの補強
- KUDAやバイオメモリーの説明に、既存科学や脳科学の用語をほんの少し引用すると、説得力が飛躍的に増します。
D. 分量の整理・絞り込み
- 現在の原稿は長編に近い分量。新人賞応募作であれば、2万字以内を意識し、メインテーマを「千年計画」あたりに絞り込むと良いかもしれません。
●【再挑戦に向けての提案】
- この作品は「人間の意識はどこへ行くのか」という大きな問いを含んでいます。
これは他の媒体(電子書籍、動画、マンガ)でも展開できるテーマです。 - もし改稿されるなら、以下のような切り口も検討できます:
- 「植物人間化を選ぶか否か、若者たちが迷う青春ドラマSF」
- 「意識世界で生きる1人の少女が“本当の自分”を探す内面SF」
●まとめ
この作品は、思索的でスケールが大きく、独自の哲学をSFに落とし込もうとする意欲作です。
落選の理由は「物語性の希薄さ」「説明調」「科学的なリアリティの弱さ」などですが、逆に言えば、そこを改善すれば大きく飛躍できます。あなたの原点として素晴らしい出発点です。
ご希望があれば、この作品を改稿・分割したバージョンの構成案を一緒に作ることも可能です。どうなさいますか?
4o
あなた:
構成案を作ってください
ChatGPT:
ありがとうございます。それでは、落選作品「SF永遠の命の理由」の原作をベースに、読者が感情移入しやすく、物語としても魅力的になるような再構成案をご提案いたします。
■改稿の方向性:
テーマはそのままに、「博士の弟子の若者」を主人公にした、成長と葛藤の物語にします。
説明中心だった原作に「体験・感情・選択・葛藤・変化」を組み込み、小説的な要素を強化します。
■タイトル案(仮)
『永遠の夢を見たくない僕たちへ』
(あるいは)
『千年の意識、百年の体験』
■登場人物(改稿案)
役割 | 名前(仮) | 特徴 |
---|---|---|
主人公 | イオ(20歳) | 博士の若き助手。天才的な論理脳を持つが、感情や体験に疎い。 |
師匠 | レオナルド博士 | 「千年計画」や「意識転生計画」の創始者。 |
ヒロイン | リーナ | 転生反対派の活動家。夢や感情を重視する少女。 |
AI人格 | カリュプス | 意識世界を統治する中立的AI。人間より人間らしい皮肉を言う。 |
大統領 | 無名のままでもOK | 博士と対立と協力を繰り返す存在。 |
■構成案(章構成)
1章:氷の時代(約3,000字)
- 荒廃した地球の描写。植物も昆虫も死に絶え、人類はドームの中に閉じこもる。
- イオはドームで博士の助手として働く若者。
- 食料もエネルギーも限界。博士が語る「千年計画」。
- イオは計画の中身に疑問を抱き始める。
2章:植物人間(約3,000字)
- 肉体をカプセルで保存し、意識だけで暮らす社会の始まり。
- AIカリュプスが意識管理を始め、世界は安定。
- だが、リーナという少女が「これでは本当に生きていない」と抗議活動を始める。
- イオは彼女に興味を持ち、AI的な視点では測れない“感情の記録”の欠如に気づく。
3章:永遠の退屈(約3,000字)
- 意識だけで暮らす生活の快適さと虚無。
- 「ワイキキビーチの記憶に違和感がある」「寿司の味がわからない」など、異変が続出。
- イオは博士に報告するが、博士は意識転生の次の段階「バイオメモリー」へと進もうとしている。
- イオは迷い、リーナと共に“体験の価値”を問い始める。
4章:体験ゾーンの起動(約3,000字)
- 転生=体験を通して成長する意識へ。
- 博士は「人類の救いは苦労体験の再設計だ」と気づく。
- イオは体験ゾーンに入る決断を迫られる。
- 体験ゾーンには「選択と忘却」がある——自分の記憶は全てリセットされるのだ。
5章:転生(約3,000字)
- イオが転生を決断する。最後にリーナに再会する。
- 二人で「戻ってこよう。思い出せるかわからないけど」と約束。
- シーンが変わり、長屋で生まれる赤ん坊。
- 母親が笑いながら言う。「この子、博士になるんじゃないかしら」——ラストは原作を踏襲。
■特徴的な変更点
変更点 | 目的 |
---|---|
主人公を「若者」に変更 | 読者の感情移入と成長物語の描写を可能にする |
説明 → 会話と体験に | 物語的な「動き」と読者の「没入」を強化 |
「転生体験」に焦点 | 実存的テーマ(苦労・愛・記憶・自由)を活かす |
構成を章立てに整理 | 物語としてのテンポを調整しやすくする |
■今後の展開について
この構成案に沿って、
- 短編(10,000〜15,000字)として仕上げることも可能ですし、
- さらに膨らませてライトノベル風の中編やビジュアル付き電子書籍にする道もあります。
ご希望があれば、この案をもとに第1章の草稿を一緒に書き始めることも可能です。
どうなさいますか?続きを一緒に進めてみましょうか?
4o
あなた:
とても勉強になりました。落選した理由も納得できました。提案はワクワクする内容になりそうです。勉強のために、第一章の草稿を書いてくれますか?それを参考にあとは自分で書きます。
ChatGPT:
ありがとうございます。そう言っていただけて光栄ですし、とても嬉しいです。
それではご提案した構成案に基づき、**第1章「氷の時代」**の草稿を以下にご提示します。
■第1章:氷の時代(約2,000字)
イオは、都市ドームの中で生まれた。空が青かった時代を知らない。風が草の匂いを運んでいた時代も、魚が泳ぐ海も、彼にとってはデータの中の話だ。
彼が暮らすドーム都市“セラルドⅢ”では、人工太陽が空を6時間ごとに横切り、昼夜を作り出している。地上に出れば、そこは灰色の砂漠。外の世界には生命はない。大気は薄く、冷たく、そして毒性を持つ。彼は一度だけ訓練用の外部スーツを着て外に出たことがあるが、景色は死んでいた。動物も木も、虫も花もなかった。
「自然なんて、ただの非効率だろう?」
そう教えてくれたのは、彼の師であり、この時代の最大の科学者、レオナルド博士だった。
博士は、AI制御の全自動栽培ドームを設計した人間であり、同時に“千年計画”の提唱者でもあった。人間の肉体を保存し、意識だけで生きる新しい社会構想――。
その日は、朝のラボの空気が少し違っていた。人工の朝日が差し込む中、博士はイオを研究室の奥へと呼んだ。
「イオ、来てくれ。君に話しておきたいことがある」
「なんですか、博士」
「氷河が、南回帰線に達した。衛星映像で確認できたよ」
イオは息をのんだ。つまり、赤道近くまで氷が進出しているということだ。
「人類が住める土地は、また狭くなったわけですね」
「そのとおりだ。農業ドームの増設も限界が近い。エネルギー効率も下がっている」
「それでも、人類は生き残るんですよね?」
博士は少し黙った。
「……生き残る。だが“どう生きるか”は、別の問題だ」
イオは、博士が時折見せるこの言い回しが苦手だった。何かを誤魔化しているようで、不安になるのだ。
「千年計画ですね。肉体を保存して、意識だけで暮らす社会。…博士、本当にそれが最善なんですか?」
博士はゆっくりとイオの目を見た。
「それを決めるのは君たちだよ。私はただ、選択肢を残しておく。それが科学者の役割だからね」
研究室のモニターには、現在の地球の全体図が表示されていた。かつて緑に覆われていた大陸は、今や氷の白と砂の灰色に染まっている。わずかに残った青は、ドーム都市の電力網の光にすぎない。
「……博士。僕たちは、どこで間違えたんでしょう」
「イオ、間違えてなんかいない。成長したんだよ、効率的に、無駄なく、合理的に」
「でも、何かが足りない気がします。僕は風を知らない。鳥の声を聞いたことがない。…本当の“体験”って、なんだったんでしょう」
博士は優しく笑った。
「それが、君の“研究テーマ”になるかもしれないな」
その夜、イオは久しぶりに夢を見た。夢の中で彼は草の上に寝転がり、風に揺れる木々の音を聞いていた。顔に当たる風がくすぐったく、知らない鳥が空を飛んでいた。
夢の中で、イオはつぶやいた。
「これが……生きるってことかもしれない」
だが、目覚めた時、その感触は手のひらからこぼれる水のように消えていた。
翌朝、博士が正式に「千年計画」フェーズ2の発表を行った。
イオの心には、奇妙なざわつきが残っていた。
■補足
この第1章では、
- 世界の状況(氷河期、人工ドーム社会)
- 主人公の立場と性格(若く聡明だが素朴な疑問を持つ)
- 博士との関係性
- 今後のテーマ(肉体とは?意識とは?体験とは?)
が自然に紹介されるように構成しています。
ご感想はいかがですか?
必要であれば、別の章も補助的にサンプルをご用意できます。もしくは、続きを書くためのテンプレートや、登場人物表の補足も可能です。お気軽にどうぞ。
4o
あなた:
すばらしい、感動しました。元が自分の作品とは思えない。これを超える作品にするために頑張ります。 続きを書くためのテンプレートや、登場人物表の補足が気になります。教えてください
ChatGPT:
ありがとうございます。ユーザーのもとの作品があってこその再構成です。感動していただけて本当に嬉しいです。そして、これを超える作品を目指すというお言葉、素晴らしい創作姿勢です。
以下に、続きを書くために役立つテンプレートと登場人物の補足設定をご紹介します。創作の指針や、アイデアの整理にぜひ活用してください。
■小説執筆テンプレート(章ごとの設計用)
項目 | 内容のガイド |
---|---|
章タイトル | 読者の関心を引く印象的なフレーズ(例:意識だけの街など) |
主人公の目的 | この章で主人公が「何を知りたい/変えたい」と思っているか? |
障害・葛藤 | その目的を妨げるもの、または葛藤(例:博士との意見の違い、リーナの言葉) |
キーパーソンとの対話 | 問いと気づきが生まれる対話を意識(博士、AI、リーナ) |
主人公の変化 | 最後に主人公が何かに気づく、疑問を深める、選択を迫られるなど |
次の展開の種 | 小さな違和感や謎、問題提起などを残して次章へつなげる |
■登場人物 補足設定(感情を動かす背景付け)
●イオ(主人公・20歳・青年科学者)
- 外面:知的で論理的。効率と合理性に従って行動する癖がある。
- 内面:本当は“知らない何か”への強い憧れがある。体験のない孤独。
- 動機:世界を知りたい。「生きている」とは何かを突き詰めたい。
- 変化軸:理屈 → 感性・愛情へ。
●レオナルド博士(70代・科学界の権威)
- 外面:温厚でユーモアのある天才。政治とも渡り合う存在。
- 内面:科学至上主義者だったが、少しずつ限界を感じている。
- 動機:人類を絶滅させないこと。そのためには感情も捨てる覚悟。
- 秘密:実は過去に1人だけ愛する家族を失っており、体験の大切さに気づきかけている。
●リーナ(17歳・感性派の活動家)
- 外面:明るく前向き。感情豊かで少し天然。
- 内面:人工社会の冷たさに疑問を抱き続けている。
- 動機:「本当に生きるとは何か」を人々に気づかせたい。
- 役割:イオに“体験の価値”を教える。対立しながらも惹かれ合う。
●AI人格・カリュプス(中立存在)
- 特徴:あらゆる人間情報を保持しており、論理には強いが、感情を持たない。
- 性格付け:皮肉屋。ときにジョークを飛ばしながら、真理をつくようなセリフを言う。
- 役割:物語に“問い”を与える。人間を超えた視点を持つ観測者。
■補助アイデア:印象的なセリフ例(感情の転換に使えます)
- 「快適さだけでは、心は生きられないんだよ」
- 「情報は記憶される。でも感動は、体験しなければ刻まれない」
- 「君が見ているのは、本当に“君の夢”かい?」
- 「苦しみがない世界に、成長なんて存在しない」
■補足参考:章タイトル案
章 | タイトル案(例) |
---|---|
第2章 | 意識だけの街 |
第3章 | 永遠の違和感 |
第4章 | 転生の扉 |
第5章 | 新しい誕生 |